前回【ロミオの青い空】の4~6話の一つのポイントについて書いた。
それは死神ルイニというサブキャラの心情の変化について。
そして今回は、再びその4~6話に焦点を当て、そこで語られて始めるもう一つのポイントについて感想を書きたいと思う。
それは、誰しもがこの物語の主軸と一目瞭然の【ロミオ】と【アルフレド】の出会いについて。彼らはロカルノに向かう途中、ロミオが林檎泥棒に間違われたシーンで初対面を果たす。
その後二人は紆余曲折(これが物語の中枢となる)を経て、固い【友情】と言う名の絆に結ばれる。一見すればそれは【同性愛】とも取れてしまう程の深い情であり、その辺りもこの物語が特定の層から厚い支持を受けた理由であった、と制作サイドが後に語っていたのは記憶に新しい。
そしてその【さわり】である端緒なのだが、アルフレドがロミオを助け出すという部分からも分かる様に、当初はアルフレドがロミオに対して優位とも取れる立場にある。
これは【黒い兄弟】を立ち上げた後も変わらず推移し、その事に対し一時ロミオは嫉妬とも言える感情を芽生えさせるのだが、しかしこれはあくまでもロミオサイド‥‥というよりも【アルフレド以外】の視点から見た場合。
では、実際のアルフレドはどうなのかと言えば、彼は【ロミオから勇気をもらった】というナレーション等、彼もまた彼なりにロミオから様々なモノを得ているのだ。
ロミオが荒れたマジョーレ湖において、死神ルイニを助けるというシーンここは特にそれが顕著に表れていると思った。
ネタバレになるが、親を殺され、さらに財産まで奪われたという古傷を抱えるアルフレドにとって、憎むべき相手に救いの手を差し伸べるという行為は、ロミオの言う【英雄像】という言葉に表れている様に、まさしく並大抵ならぬ心の強さを必要とする行為だった。
それはアルフレドに【困惑】や【驚愕】とも言える感情を芽生えさせる。
その感情は、アルフレドに【ロミオの事をもっと知りたい】という単純な興味を抱かせ、同時にロミオといると、自分の知らないモノを得る事が出来るのではないか、という考えを芽生えさせるに至るのだ。
この物語の側面にある【教育】と交錯するテーマである。
今回はここまで。
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